手抜き工事による雨漏り|ベランダFRP防水 階段 外壁 屋根
今年に入って、企業倫理のかけらも見られないような、スキーバスの事故、廃棄食品の横流しなど、本来起こってはならない事件事故のニュースがありました。
法廷料金を大幅に下回るバス運賃、通常では考えられないような仕入れ価格・・・事故を起こしたバス会社、横流しした廃棄物処理業者および仕入れた食品会社が行った行為は許されるものではありませんが、ツアーを企画した旅行会社、廃棄食品を仕入れた商社、販売店も「本来であればありえない価格」を見て「訳ありの運行、商品」だと気付かないはずがありません。
雨漏り修理工事をしていると、建築業界でもそんな現場を見ることがあります。特に多いのが、店舗、事業所の建物、アパート等ですが、住宅でも見ることがあります。
建物を建てる場合必ず図面があります。私たちは雨漏り修理の際現場を見せてもらうのと同時に図面もみせてもらいます。ここ数年でアパートや住宅などのベランダ防水や階段のFRP防水、事業所、住宅の屋根、外壁など「手抜き工事」が原因と思われる雨漏り修理工事をしましたが、雨漏りしている現場の共通点は
①図面通りの使用になっていない。
②図面通りの材料を使っていても施工が仕様書どおりになっていない(技術不足)。
③図面通りに施工してあるように見えるが、故意に途中の工程を省いて施工してある。
④板金、瓦、防水工事業者を名乗る資格のないような、工事の基本がわかっていないデタラメな施工をしてある。
私は学生時代アルバイトでFRP防水の施工をし就職してからは板金、防水、外壁工事などの現場管理をしていました(今もしていますが)。施工の経験もあるため上記のような施工をしてある現場をみて、「施工はしたよ」と言わんばかりの「しただけの仕上がり」だと感じます。
建物を立てる際、予算があると思いますが、きちんと施工するとなると適正な価格というものがあります。仕様にあった材料、その仕様にあった施工をするための職人の人工、経費・・・これらが合わなければ施工する工事はすべて赤字工事となります。きちんと施工する会社はそれなりの材料、それなりの手間を掛け仕上げようとします。ただ中には「工事を取ってしまえばいい。売上さえ上がればいい」と職人の手間をけづり(=職人が施工に時間を掛けられなくなります。)無茶な単価で工事をします。その証拠に、私たちが雨漏り修理に伺い、建築した会社名を聞いてみると、半分以上はすでに倒産してしまった会社です。しかも安売りで、クレームが多いと評判の会社でした。
赤字工事が続くと会社は存続できなくなります。クレーム処理をまじめにしていたらさらに赤字は増えます。ですからクレームをまともに処理せず逃げます。当然評判は落ちます。仕事が取れないのでさらに安売りをします。以下ループ・・・
建物を立てる際当然予算があります。できるだけ安い予算で建てたいと思うのも当然です。ですが、ちょっと思い出してください。スキーバスの事故、廃棄食品の横流し・・・「同じ建物が半分の予算でできる!」「訳あり品のため半額!」・・・
もし予算を削ったために建物に欠陥が生じていたら・・
お客様は、玄関ポーチから雨漏りしている店舗に入りたいと思うでしょうか?
借主は天井から雨漏りしているアパートを借りたいと思うでしょうか?
日本には良いことわざがあります。
「安物買いの銭失い」