秋雨前線 台風15号16号|棟の雨漏り
神奈川県では突風被害が出た模様です。先日まで猛暑が続いていましたが、日本列島には秋雨前線もかかり、台風15号、16号も発生しました。先日までは暑くて、職人の熱中症が心配でしたが、今度は工事日の天候が心配になります。新潟市内も夕方には風が強くなり始めました。
これからの季節に起こる、台風・秋雨前線ともに風を伴った雨になる事が多いようです。最近は季節問わず突風や急な豪雨などが発生しますが、台風本番の秋は最も暴風に気をつけなければならない季節といえそうです。
何度か当ブログにも書きましたが、風による雨漏りで気をつけなければいけない点は、普段雨漏りをしない部分から雨漏りをする点です。外壁、外壁と屋根の取り合い部分などが最も多いのですが、今年は風を伴う雨のとき「棟からの雨漏り」も数件ありました。
《住宅 瓦屋根のくだり棟からの雨漏り》
瓦屋根の住宅、寄棟などの屋根で見られる下り棟からの雨漏りがありました。
普段の雨では雨漏りはないそうですが、風が強い日に限り雨漏りが発生します。新築時に建築した会社が何度も修理したそうですが雨漏りが止まりませんでした。
雪止め金具、谷などなど・・・様々なところに涙ぐましい「何度も修復を試みた」形跡があります。内部を見せていただき屋根に上った時点で「おそらく漏水の原因は棟だろう・・・」と思い、職人と一緒に調査を進めると・・・やはり下り棟と棟周りが原因のようです。部分的に瓦を剥がし、修理をしました。その後は風の強い日でも雨漏りはしなくなったそうです。
《工場 折板屋根の棟からの雨漏り》
この事例は別々の工場で2件ありました。両方とも建築した年代がほぼ同一でかなり大きな面積の工場です。築年数が進み、材料の劣化(錆など)が進んでいる事、大面積のため本格的に直すと多額の費用がかかる事から、「原因を特定するためと予算をかけないようにするためまずは簡易的な補修をして様子をみましょう・・」という事で、簡易的な補修をかけてみました。工事後、漏水が止まり、原因特定という目的は達成されましたが、両工場とも、ある一定の部分だけ1~2年後に再び漏水しました。再び屋根に上ると・・・製造機械の振動が大きい部分であることがわかり、対策を施して施工しなおしました。長期的に見ると、製造機械の振動が大きいため、根本的な補修よりも定期的なメンテナンスを継続する方が費用面と雨漏りをとめる確率が高いと結論つけました。
いずれも風が吹かなければ雨漏りはしない「棟からの漏水」事例です。